アロマ環境介護セラピストとして
私は今医療機関において、病気や障がいをもった子どもたちやそのお母さんたち、そして緩和ケアを
必要とされている方々にアロママッサージを提供しています。
私がマッサージをする際いつも大切にしていることがあります。それはそれぞれの子どもたちや
そのご家族が何を必要とし、それに対して私に何ができるかを創造しながらそっと「寄り添う」ということです。
私が寄り添っている子どもたちはおしゃべりをしたりおもちゃで遊んだりすることはできません。
痛くてもかゆくてもそれを伝える術がありません。そしてそれを傍らで見ているご家族、特にお母さんたちの
心痛や疲労は私の想像をはるかに超えたものがあります。
一人ひとりの心や体の状態が違うようにそれぞれのご家族の求めているものは違います。
それを理解するためには基礎医学の知識やコミュニケーション能力など高度なものが要求されると
思いますが、アロマセラピストとして何ができるかを常に考えながら今一番の最善をつくせるよう
直感力や創造力を養うことも必要です。そして優先すべきことを考えて柔軟な対応ができるようになることも
「寄り添う」ために必要なことであると考えています。
現在医療機関でアロママッサージを主とするアロマセラピーを行っているのは看護師の方が多いのが
現状ですが、一人ひとりの方に十分な時間をかけることが可能かと言えばそれは難しい問題です。
近年、西洋医学に補完・代替医療を取り入れていく統合医療という概念が広がり始めています。
全人的(ホリスティック)な視点に立った統合医療が求められる時代がすぐそこに来ていると感じています。
医療機関において、一人ひとりの患者さんに時間をかけ、より効果的な診療が可能となるためにも
私たちアロマセラピストが必要とされる時代が必ずやってきます。
しかし誰でもいいというわけにはいきません。 患者さんの病状をきちんと理解し、医療スタッフと
コミュニケーションができる知識を持ったプロのセラピストが不可欠です。
日本ではアロマセラピストはもちろん医療従事者ではありません。
だから私たちには「治療」できない人がいますが、私たちが「ケア」できる人はたくさんいると思います。
私はケアの原点は人を「気遣う」ことであると考えていますが、その気遣いがこちらからの一方的な
思い込みで進まないよう相手との積極的な関わりを通して自らが感じ、考え、自分自身を成長させて
いかなけれ ばなりません。
ケアをすることにゴールはなく、正解もありません。気遣いにも法則があるわけではありません。
お母さんたちから安心して任せていただけるように、子どもたちから信頼されるようにケアに専心することを
今後も心掛けていきたいと思っています。
【GCA生徒の皆さんへ ]
学長はこの学校が始まった当初から統合医療におけるアロマセラピストの役割ということに言及されていました。
日本で本物のアロマセラピストを育成したいという揺るぎない思いを持ち続けていらっしゃいます。
英国と日本を何度も行き来しながらその思いを貫いておられますが、そのおかげで多くの卒業生を出し、
また熱意を持った生徒さんをセラピストにすべく力を注いでいらっしゃいます。
皆さんは日本でも数少ない臨床のアロマセラピスト育成校で学ばれているところですが、皆さんのような
専門のトレーニングを受けたセラピストを待ち望んでおられる方がいらっしゃいます。
私自身も一人前のアロマセラピストとしてはまだまだほど遠いものですが、今後も努力し続ける所存です。
いつか一緒に働ける日が来ることを楽しみにしています。
アロマ環境介護セラピスト 和田 宏子 〔GCA/IFPA第1期卒業生〕
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