私は浄土真宗系の私立高校で教員をしています。
この夏、関連学校の生徒と教員で、岩手県陸前高田市に東日本大震災の復興支援ボランティアに参加してきました。
震災から4年近くが過ぎ、だんだんとニュースや新聞でも東北の様子を知る機会が少なくなってきている今日、私が参加を決意した理由は、「どれくらい復興しているのか、自分の目で確かめてきたい。その中で、自分にできることはあるのか、知りたい。」という思いからでした。
さまざまなプログラムの中で、仮設住宅を訪問する機会があり、
先ずは花壇の草取りを行いました。
仮設住宅はいろいろな地域からの方が集まっており、比較的高齢の方も多く、以前は部屋に閉じこもりがちになっていたようです。しかし、みんなで花壇を作ることで住民の方同士の交流の場となり、花を育てるという楽しみにもつながったというお話を伺いました。
土に触れて花を育てるということは、大地や植物のもつエネルギーがきっと被災者の方々にエネルギーを与えることになっているのだろう、と感じました。
私ははじめ、「花壇の草取りのボランティア」と聞いてそんな簡単なことでいいのか、と疑問に思っていましたが、いろいろな思いの込められた花壇の草取りを行ううちに、「ボランティアというのは、決して特別なことをするわけではなく、日常の中の小さなことでもできるもの」であることを実感しました。
仮設住宅の方からは震災時の様子のお話も伺いました。
ご家族を亡くされたり、家や家財道具一切を津波で流されたり、想像を絶するような辛い思いを乗り越えて、前向きに生きておられる方の言葉は、ひとつひとつ重みがあり、あたりまえに思える生活のありがたさをひしひしと感じさせられるものでした。
今回被災地を訪れてみて、復興はまだまだ遠く、時間がかかるように思いました。そのため被災者の方への長期的な心とケアが必要であり、経済面の支援だけでなく、精神面での支援ではセラピストの出番はたくさんあると思います。
仮設住宅の方のお話をゆっくりと聴くこと、精油での芳香浴、ハンド・フットマッサージなど、アロマセラピストとしてできることはたくさんあるように思いました。
私は現在学んでいるクリニカルアロマセラピーを、将来はボランティア活動の場で生かしたいと考えています。
これからさらに勉強を重ね、さまざまな場で自分のできることを探して、実践していきたいと思います。
GCA/英国IFPA 国際プロフェッショナルアロマセラピストコース9期生
森永香織